大丈夫、あなたは一人じゃない? 『82年生まれ、キム・ジヨン』を見て。
大丈夫、あなたは一人じゃない
このフレーズはこの映画の日本版ポスターに書かれてあった。
そうだろうか。本当に一人じゃなかったなら、ジヨンはあのように苦しむだろうか。
個人的にはこのフレーズ、非常に納得いかない。
さて、ポスターへの小言はこれぐらいにして、今から感想など、思ったことをつらつら書いていこうと思う。
さて、この映画だけれども、映画のキャッチコピーは最悪だが、内容までは最悪ではなかったと思う。(日本の某配給会社は是非猛省していただきたい)
ジヨンの生きづらさや苦しみ、葛藤が手に取るように伝わった。
物語は、現在のジヨンを軸に、過去のジヨンを織り交ぜながら進んでいく。
痴漢されたとしてもそれは被害者の方に問題があるというジヨンの父親
女性らしさを押し付けるジヨンの親戚のおばさん達
女性を性的に消費する世の中の男性達
ジヨンのキャリアアップを拒む姑
他にもたくさんあるが、個人的に印象的だったのを書き上げてみた。
このようなことが目に見えてわかるこの映画は初めて見た。
しかし、この映画は入り口も出口も同じ映画であったと私は思う。
いや、そこがミソなんだろうが。
結局、ジヨンはこれらの問題に面と向かって声を上げただろうか。
いや、声を上げていない。
この映画を見た、私たちが声を上げるべきなのだろう。
この世の中を生きる、生きづらさを感じている女性達に贈る、素晴らしい作品だと思う。
最後に、これは本当に理解に苦しむのだが、本編終了後に春風映画社が製作したと韓国語でテロップが出ていたが、なぜ翻訳して字幕に書かなかったのか。
この社名はジヨンの尊敬する先輩が作品内で立ち上げた会社と同名であるのに(監督の独立後初作品という事で意図的にそうしてある)、、、勿体ないと思った。
まぁ、総括して書くと、作品としては良かったが、宣伝方法等に少し違和感を覚えた。
是非見てみてはいかがだろうか。
水曜日レディースデイに見に行ったこともあいまってか、観客は9.8割女性でした。笑